シベリア鉄道6泊7日の過ごし方【持ち物・車内生活】
世界総陸地の11.5%を占める国,ロシア
国内間でも最大10時間の時差が発生するこの国では,あまりにも広い国内の長距離移動は,当然のごとく飛行機が主流となっている
しかし,この広大な土地を陸路で移動する手段が存在するのだ
ウラジオストクからモスクワへ約9288km
6泊7日の超長距離寝台列車
シベリア鉄道「ロシア号」
旅人ならだれでも憧れた事があるはずだ
この記事を見ているあなたもきっと興味があるはず
だから車内の生活や列車に関して書き記しておこうと思う
シベリア鉄道6泊7日の過ごし方【持ち物・車内生活】
※2020年3月4日時点での情報になります
※3等車(最低クラス)乗車のため,より上位のクラスでは感想が変わる可能性もあります
概要
僕が乗り込んだのは【No 001M:ロシア号】
初めに言っておきますと,同居人にもよりますが車内はかなり快適です!
特にインドやタイの夜行列車を経験済みであれば衛生的にも全く問題なく乗れます
寝台のレベルとしてはフランス-イタリアの寝台列車 thello に少し劣るくらいでしょうか......
国内の寝台列車には載ったことがありませんので比較できませんでした
車内で使えるもの
トイレなどは当たり前として,そのほかで使えるもの・買えるものものをご紹介!
無料で使えるもの
寝台のみではなく,布団やシーツなどは無料で使うことができます
このあたりはどの寝台車でも一緒ですね
個人に与えられるもの
- 布団
-
毛布
-
枕
-
シーツ二枚
-
枕カバー
-
タオル
-
耐熱マグカップ(車掌に言えば貸してくれる)
布団はかなりしっかりとした布団で夜もぐっすり眠れます
マグカップは無料で貸してくれますが,気に入れば購入することも可能!
寝台4つエリア(通路に対して垂直)に設置されているもの
- タイプCコンセント2つ(机下両側,おそらく下寝台用)
- USB充電口4口(2口で1セットが両側,おそらく上寝台用)
-
コート掛け(ロングコートは長さが足りない)
-
小さな荷物置き
各エリアごとに設置されているので充電口を奪い合うことになならないと思います!
少なくとも僕の6泊7日は奪い合いにはなりませんでした
「タイプCしか使えない......!」みたいな状態だと争奪戦になるかも.......?
寝台2つエリア(通路に対して平行)に設置されているもの
- タイプCコンセント2つ(下寝台の壁側)
-
コート掛け
-
小さな荷物置き
大きな荷物(キャリーバッグ等)の置き場に関しては,寝台2つ・4つエリアともに
下寝台:寝台下のスペース
上寝台:寝台上のスペース
に置く場所?があります
一応「ここにおかなくてはならない!」というわけではありませんので
上寝台でも下のスペースに荷物を置いたりしても大丈夫です
車両全員で共用
- 車両ごとにお手洗い2つ
- サモワール(給湯器)
サモワールからは無限にお湯が出ます
とにかくこのサモワールがあるので,飲料水・食べ物・ウェットティッシュ・お風呂などが何とかなります
お金を払って購入・使用する物
- スリッパやお風呂アメニティ
- シャワー
- ごはん
- お菓子
お金を持ち込めば,旅はもっと快適に!
シャワーに関しては後述します
時刻表
車内には時刻表も完備
こちらの時間は現地時刻にされているため,自分の携帯が勝手に現地時刻に合わせてくれるのであれば,この時刻表に合わせて動けば大丈夫です
もし携帯が現地時刻に合わせてくれない場合は,後述する車内Wifiにアクセスして時刻表を見てください
この時刻表,停車時間も書いてありますのでかなり参考になります
車内の生活
6泊7日の寝台列車はもはや家と化します
その中でのルールや生活の様子です
言語
ロシア全体で言えることだと思いますが,英語がほとんど通じません
日本の状態とほぼ一緒と考えて良いと思います
本当に「通じた!」と思ったのはゲストハウス内くらいでした
まぁ僕は英語もダメなんですけどね
それでも英語力をあげたいので海外では頑張って英語で話しますが
シベリア鉄道内では英語を諦めて日本語で話してました
英語でも通じないんだから日本語でも一緒.......
あ,もちろん最初の挨拶はロシア語です
そこはコミュニケーションの重要な点なのでお忘れなく
寝台マナー
6泊7日で乗り通す人は多くなく,
大体は1泊2日,長くてもう1泊ほどであり,かなり人の入れ替わりがあります
布団や毛布,枕は次の人への引継ぎになるので必ずシーツを敷いてから使いましょう!
タバコとお酒のルール
タバコは車内完全禁止,飲酒は食堂車のみ許可されているようです
タバコは一日に何度かある10分以上の長時間停車の時にたくさん吸いましょう
どうしても耐えきれない人は接続部分で吸っていたみたいですが......
飲酒ルールは守られていませんが,車掌さんも黙認
他人に迷惑をかけると怒られます
電波
電波は基本的に無いと思った方が良いです
モバイルデータの場合は一日の2/3ほど情報社会から隔絶されます
一応駅に着いたり,周囲に村があると拾ったりしますが,3Gばかりで4Gは稀
しかし,驚くべきことに車内にはWifiが飛んでいます!
そこに気づいて「よっしゃ!!!」と思いきやほぼ車内通信用
たまに外の電波を掴んでいろいろダウンロード出来たりしますが,こちらもあまり期待しない方が良いです
なのでみんな本を読んだりダウンロードしてきた映画を見たり,クロスワード,パッチワーク,ゲーム,昼寝等,各々自由に過ごしています
食事
食堂車には当然ながら営業時間がありますし,各車両で売っている物はバリエーションが少ないため,食べ物はある程度は持ち込んだ方がよいと思います
僕は5食分ほど購入しておいて,慣れてきたら買い足すようにしていました
長時間停車の駅には,必ずホーム上などにお店があります
旅の雰囲気も味わえますので,慣れてきたらその都度買い足していくのがおすすめ
また,ウラジオストク-イルクーツク間は,ホーム上に売り子の人が食べ物を売りに来ていたりして,自家製?のペリメニやピロシキ,ソーセージ,魚の燻製などを買うことができます
かなり安くローカル感のあるものを買えますので,そちらを利用してみてはいかがでしょう!
どうも当たったりするそうですが,僕は胃腸が強い方なのか,一度も下すことはありませんでした.小さい子供がいるとかではない限り気にしない方が良いですよ!
車内の決済方法
ちなみに車内での買い物は,クレジットカードが使えるはずなのですが,述べたように電波が弱く,決済できないことが多いです
食堂車でも決済機能自体はありますが,電波が弱いことを理由に断られました
駅の常設してあるキオスクはカード決済どころかGooglePayなどにも対応しています
売り子さんはもちろん現金のみでした
ロシアの人々
ロシア人は不愛想に見えると言いますが,適度に不愛想に見えました
ただ,一度仲良くなるととても親切で,良い人ばかり!
車内の人と仲良くなると交流がかなりあります
夕食やティータイムに招待されたり,車窓の説明など本当にお世話になりました......!
かなりいろいろ貰ったりしたので,自分の食べ物を持って行ったのに,帰ってくる頃には食べ物が増えている,なんてことも
自家製ワインなんかも飲ませてもらったり,いい思い出です
トイレの清潔具合
トイレはほぼいつも清潔です
車掌さんが結構な頻度で清掃をしてくれますのでご安心ください
トイレットペーパーも追加されますし,トイレットペーパーがない場合でもキッチンペーパーみたいなものがありました
気になる方は車掌さんに「トイレットペーパーください」と言えば大丈夫
あ,英語は通じないのでジェスチャーかgoogle翻訳をお使いください
地元の人はお手洗いで体を拭いたり顔を洗ったりしています
お手洗いの水道からはお湯が出ますが,サモワールの調子が悪い時は水しか出なかったりするので僕はマグカップにお湯を入れて持ち込んでいました
シャワー
6泊7日の旅で一番気になるところは風呂だと思います
シャワーは1回150ルーブルで使用することができました
お手洗いに案内があります
全列車にあるかはわかりませんが,張り紙が無くても聞いてみると使えるかも......!
まさか車掌さんが6泊7日風呂に入ってないとは考えにくいですからね
なお,地元の人はシャワーはあまり使わないようで,トイレで体を拭いているみたいでした
僕も3日目に一度使ったくらいであとは体を拭いていました
水圧は十分に強いです
お湯も出ます
アメニティは何もありませんので,シャワーセットを買うか,持ち込むかしましょう
タオルは初めに配られるものを使えば大丈夫です
僕は1000ルーブルしかなかったですが,入る前にお金を渡したら
「今手持ち無いから出たらおつり返すね!」
と言われました
額が大きいとそういう感じになると思います
お風呂からあがったらおつりはちゃんとくれました!
「えっ脱衣所って窓空きそうじゃない!?覗き怖い!!」
と思うかもしれませんが安心してください
思ってる以上に電車は止まりません
車内の服装
真冬でも軽装で大丈夫です
暖房がしっかり効いています
タバコの画像でハーフパンツの人がいましたが,あのスタイルで問題ないです
外は普通に寒いのでちょっと外に出るときなどに着やすいものを置いておくとgood
車内に持ち込むべきもの
僕が実際に6泊7日で乗り通してみて,車内に持ち込んでよかった・持ち込めばよかった
と思うものをリストアップしました
- スリッパ
- ミニナイフ
- お箸やフォーク
- 食事(全部じゃなくていい)
- C型コンセント変換プラグ
- 現金
- 日本からのお菓子など
以下ではその理由に関して説明します
スリッパ
超長時間の車内です.僕は島ぞうりを履いていました
トイレが若干濡れて居たり,車掌さんが定期的に車内をモップ掛けする関係上,水に対して耐性のあるスリッパが良いと思います
ペラペラスリッパはやめておきましょう
ミニナイフ
買ったものの袋を破くとき,パンを切る時,バターを塗る時,魚を切る時......
とにかく万能です
僕は特に,駅の売店で大きめのサラミやパンを買ったときにあると便利だと思いました
2日に一度くらいはあると便利だと思ったので,持っていくに越したことはないと思います
仲良くなるとロシア人が貸してくれたりするので案外なくても大丈夫
お箸やフォーク
お店で買い物をしても基本的につけてくれません
つけてくれるのかも謎です
一応マグカップを借りるとスプーンもついてきますので,そちらである程度代用も可能
僕はバターナイフやサラミを切る時にスプーンを使ったりしました
仲良くなった日本人の姉様は弁当用の物を持ってきていました
食事
先ほど述べたように持ち込まなくても何とかなりますが,
初めは買いに行く雰囲気もわかりません
ですので,何食かは持ち込んで様子を見ながらの方が良いかと思います
あと,紅茶は必ず持ち込みましょう
紅茶を飲む以外にやることが無いので冗談抜きでかなり飲みます
C型コンセント変換プラグ
外国旅行している人に言う事ではないかもしれませんが,6泊7日です
電波が拾いづらいとはいえ電源が無いと絶望します
もしかしたら世界対応の変換プラグを売っているかもしれませんが,A型に変換できるかはわかりませんので持ち込みましょう
なお,USB給電口もありますので携帯のみの場合はそれでも大丈夫かもしれません
カメラ,パソコンなどを持ち込む方は注意してください
現金
決済方法にクレジットカードはあるのですが,電波状況次第で決済できません
現金を持ち込みましょう
6泊7日であれば,食堂車の利用がなければ3000ルーブルも持ち込めば余裕でおつりが帰ってくると思います
僕はいろいろ貰ったりしたのもありますが,
シャワー1回利用で5食持ち込み,1日3食(2食の日も)
で合計1205ルーブルでした
ただ,これはかなり安い方だと思いますので3000ルーブル位を目安にしてください
日本からのお菓子など
コミュニケーションの強力なきっかけになります
僕は飴玉2袋,チーザ(大きめの袋),柿の種を持ち込みました
あげた感覚ですが,甘い物よりしょっぱい物の方が好まれます
あと,彼らから貰うものはとにかく甘いものが多かったので,僕自身がしょっぱい物を食べたくなりました
個包装のお煎餅みたいなものが好まれると思います
柿の種はウォッカを飲みだしたら一瞬で消えていきました
追加情報に関して
シベリア鉄道に乗った感想や情報になります
気づいたことがあればどんどん書き足していくつもりですので,
「これは?」「こういうことが知りたい」
という事がございましたらどんどんコメントの方にお願いします
最後に
シベリア鉄道,乗る前まではどんな感じなのかが不安でしたが,とても楽しい毎日でした
もちろん電波が無いのは暇ですが,
外を見ればシベリアのきれいな景色,小さな町,夜景等,ロシアの雰囲気をとても味わえます
地元の人も暇を持て余しているので,交流の機会は多いです
英語が話せない人ばかりなので意思疎通はかなり難しいかもしれませんが,
この世界にはgoogle翻訳大先生もいます
僕自身,日本にいる間は自由な時間があっても,やらなければならない事などが気にかかってしまいます
ですがシベリア鉄道乗車中は,やらなければならないことも電波が無いのでできないのです!
これは仕方のない事
だからこそ,心置きなくのんびりできます
電波もなく,言葉も通じない世界で生活することは不安かもしれませんが
多分,なんでもすぐに分かってしまう情報社会の今だからこそ,シベリア鉄道は大事なのかなと思います
たくさんの交流が生まれる3等車の旅
誰かに「もう一度やりたい?」と聞かれたら間違いなくこう答えるでしょう
「もちろん!!」